96年〜04年までのアンダーグランドヒップホップの流れを振り返る
by: Fuma75, 微熱王子

微熱王子 えー。先ずはじめに簡単なご挨拶を。この度は、対談に誘ってもらって、ありがとうございました。
実は、PUT EM ON THE MAPでFUMA75さんと対談する、ということ自体がプレッシャーを感じるものなんですけど…(笑)。
しかも対談内容が「96年〜04年までのアンダーグランドヒップホップの流れを振り返る」というものだから、尚更これは果たして私なんかでまともな対談に なりうるのだろうか?と不安にも思っていたのだけど、これは普段は滅多に聞くことのできないFUMA75さんの熱い意見を聞きだすチャンスだ!という想い を胸に、この対談を楽しみにしていました。

コラムを読んでもらっている人のために、この企画について簡単に説明すると、この対談の機会を利用して、FUMA75さんと私が「96年〜04年までのア ンダーグランドヒップホップの流れを振り返る」という名目の上で、アンダーグランドシーンの黎明期から成熟期、そして現在に至るまでの流れについて、お互 いの意見や見解を色々あることないこと交えて、ざっくばらんにぶちまけあっていきましょうと、まぁコレは簡単にいうとそういう対談ですね。大雑把にまとめ てしまいますと。

改めて、これからよろしくお願いします。


FUMA75 こちらこそよろしくお願いします。
私が対談形式を提案したのは、「96年〜04年までのアンダーグランドヒップホップの流れを振り返る」というお題目が私にとっては手に余るかな、と思った からです。あまりに壮大というか、何処からどう手をつければ良いか皆目見当がつかなかったので、それなら、対談という形で誰かに導いて貰おうという、浅は かな考えが根っこにあります。

以前、メリージョイの肥後氏が、雑誌ブラストで次のような事を言っていて、いたく共感した経験があります。 「僕なんかは、興味があるCDを全部聴いてしまうので、時代が変わっているのに全く気づかない事がある。(中略) 毎日自分の顔を見て、自分の顔が変わっているのに気付かないような感じで」

では、どの辺から始めましょうか?96年頃からと言うと、COMPANY FLOWの登場ぐらいからでしょうか。


微熱王子 ええ。96年の主要な作品といえば、勿論COMPANY FLOWの"FUNCRUSHER"。あとは、DJ SHADOWの"ENDTRODUCING"、DR.OCTAGONの"DR.OCTAGONECOLOGYST"、JUGGAKNOTSの"CLEAR BLUES SKIES"あたりかな。

おーBUCK 65の"WEIRDO MAGNET"もこの年かー。テープアルバム。当時、日本人で追っていた人いるんですかね?メインストリームでは、JAY-Zの"REASONABLE DOUBT"、OUTKASTの"ATLIENS"、あとは2PACやDELA、ATCQあたりが出していた模様です。他にもトピックとしてはまだまだ沢 山あると思いますが、この年に出た作品では、COMPANY FLOWがやはりずば抜けてアンダーグランドシーンに多大な影響を与えたのではないかということで、とりあえずスポットをここに当ててみましょう。

"FUNCRUSHER"はシーンの方向性や可能性を示す重要な作品で、97年以降のシーンの流れも"FUNCRUSHER"を源泉とした流れと見なすこ とも出来ると思うんですけど、FUMA75さんは、この時期のCOMPANY FLOWをどのように捉えていますか?COMPANY FLOWはレビュー・コーナーにも載っていなかったと思うので、非常に捉え方が気になるところなのですが。


FUMA75 当時は気付かなかったんですが、今思うと丁度メインストリームとアンダーグラウンドの乖離が始まった時期だったのかなと。 丁度RAWKUSが大きく注目され始めたのもその頃だった気がするんですけど。COMPANY FLOW "FUNCRUSHER"はその象徴的なアルバム。中指立てて"INDEPENDENT AS FUCK"なんて文句まで入れて。本人達にとってはジョークだったみたいですけど、あれが一つの指針になったのはあるでしょうね。BAD BOY以前はヒップホップ全体がアンダーグラウンドだったけど、BIGGIEのブロウ・アップ以降は皆が上を目指すようになった。そういった風潮に中指を 立てたんで、同じように違和感を感じ始めていた人間の多くがCOMPANY FLOWに賛同したんじゃないでしょうか。

私がLIVING LEGENDSとかを知ったのも丁度この頃なんですよ。RINOと共演したり、鬼だまりに出たりしてた頃ですね。ネット環境もなかったので、BUCK 65などは存在も知りませんでしたが。今に繋がるメンツが徐々に頭角を現してきた大事な時期だったのかなと今になって思います。メジャー契約なんかなくて も、自分達は自分達でやるよ、みたいな本当の自主制作マーケットが出来つつあったんじゃないでしょうか。

そういった時期、COMPANY FLOWのあの態度、サウンド、全てが象徴的ですよね。オールドスクールからの繋がりを多分に感じさせる辺りも、本当に頭良いなって思います。西海岸はそ の辺に無頓着だったと言うか、それこそ本当に好き勝手やっていた感じがします。本格的なインターネット時代の前夜って感じで、宅禄で手売り、みたいな。中 西部の、本当に取り残された地域のアーティストは、東と西の両方の影響を多分に受けているんじゃないかと思いますが。その辺の連中が大挙して浮上してきた 時期(1998−2000頃)が、真の夜明けと言えるんじゃないかと思ってます。


微熱王子 この対談を始める前に、少しシーンの流れについて友達とこの辺の話をしていたのだけど、やはり97年位からのPUFF DUDDYを中心とした所謂「あがれる時にあがっとけ」みたいなメインストリームの上昇志向と、後ろ盾の全く無い所から如何に自分の周りの基礎地盤を固め ていくか、みたいな所に力を注ぐ過程のアンダーグランドの保守志向には大きな乖離が見えて、アンダーグランドシーンの「黎明期」と位置付けるには、やはり この時期なんじゃないか、ということは私も感じていました。

この時期くらいの間に出ていたアンダーグランドヒップホップは、実験性やオリジナリティという所に重心を置いている印象はあまり受けなくて、浮ついている メインストリームに対するカウンター的な手堅さを一番感じますね。全く無いって言ったら嘘だけど、「面白さの追求」という側面より、「これがカッコイイん だ!」というアーティストのプライドみたいな所やその独特な緊張感を聴くのがこの時期の作品の醍醐味なのかなと。それは、FUMA75さんの言うように 「インターネット」という媒体を通して、アンダーグランドシーンのだだっ広いネットワークが出来る前の「メジャー契約なんかなくても、自分達は自分達でや るよ」という意識の直線上にあるものだ、という見方も出来ると思う。

本格的にアーティスト達がオリジナリティであったり、面白さをヒップホップに追求し始めたのは、シーンにインターネット環境が配備されてきてからだとは思 うのです。勿論、CD-Rの普及なんかも大きいでしょう。アンダーグランドヒップホップに於いて、インターネットは改めて言うまでも無く、ものっそい重要 で、シーンを活性化した側面もあれば、逆にシーンの飽和化と沈滞化を導くにも一役買うのだけど、まぁその辺はANTICON登場の回に話を先送りしましょ う。


FUMA75 なんか稚拙な言い回しになっちゃうんだけど、BAD BOY以前はスキルが全てと言うか。勿論、CRAIG MACKやBIGGIEは凄いスキルフルなんだけど、彼らが爆発的に売れた事によって、マーケティングとか如何に売れるシングルを作るかとか、そういった 事が重要視されるようになってきた。売れたもん勝ちと言うか。そのせいで、多くの才能あるアーティストが契約を失ってアンダーグラウンドに戻って行ったの も丁度この頃で、インディ・レーベルが沢山出来た。お陰で、ベテラン勢以外でも新人が毎週のようにシングルを切れた。BOBBITOがFONDLE 'EMを95年に始めて、"NO VIDEO, NO STICKER, NO PROMOTION, NO MARKETING"なんて方針を打ち出してたのは、COMPANY FLOWの"INDEPENDENT AS FUCK"と同じように、メジャーの経営方針に対するアンチテーゼですよね。

この頃のアンダーグラウンド・アーティストのインタビューを読むと、殆どのアーティストが「メジャーにはクリエイティヴ・コントロールがない」と答えてい るんですよ。今でこそ当たり前のような言葉ですけど、それ以前のアーティストの口からはあまり聞けなかった台詞なので、多分メジャーでも比較的好きな事が 出来たんじゃないかと思うんですよね、90年代前半までは。KMDやKURIOUSがメジャーからアルバムを出してた訳ですから。それが、PUFFYや DREが「ヒップホップの売れる形」を作ったから、メジャーは皆その型を押し付け始めた。当時のアンダーグラウンドは、そういった型へのカウンターとして 機能していた面が強かったように思う。多くの作品から実験性よりも原点回帰色が色濃く出てるのは、その辺が原因じゃないかな、と。

この頃の特徴と言うと難しいんですけど、多くのアーティストが自分達でビジネスをケアし始めたって点じゃないでしょうか。 これでも良いんだって気づいたと言うか。ディールを得るために活動するんじゃなくて、自給自足を始めた。音楽的には、さっきも出ましたけど、原点回帰です よね。ゴテゴテした装飾を取っ払って、ひたすらシンプルにスキルを聴かせる。突然変異みたいに言われてるCOMPANY FLOWにしても、よく聴けばオールド・スクール直系である事が分かる。

そろそろ西海岸に話を移しますか?LOOTPACKが"PSYCHE MOVE"を出したのが96年ですが。その辺から98〜99年頃にかけては西海岸が注目されましたけど、この辺の動きはどう見てました?


微熱王子 難しいなぁ...。

正直、西海岸を真面目に追っていた訳ではないので、まともな意見が言えなくて恐縮なんだけど、LEGENDSやSOLESIDES、J5、STONES THROW、SHAPE SHIFTERS、そしてVISIONARIESやBLOWEDを見る限り、言い方悪いけど、どこか間延びしたようなトラックであったり、ひと癖もふた癖 もある、「癖があることが美徳」みたいなラップスタイルていうのはここいら全てに共通しているのかな、と。全然参考にならない意見なんですけど(苦笑)。 この時期の西海岸を包括的に観察できる作品といえば、"BENEATH THE SURFACE"になるんですかね。これ、改めて聴くとかなり面白いアルバムだなぁ。きわめて普通に変態的だし。

でも、アンダーグランドを語る上で、ここいらは避けて通れないのは分かります。それはやっぱり、この地域のこの時期の作品群はそれほど特徴的なものばかり だと思うし、アンダーグランドに、今まで話してきたいわゆるアンチメインストリーム的な原点回帰だとかとは逆?の「スタイルの追求」の風を呼び込むトリ ガーになった物だった、という見方も出来ると思うから。アンダーグランドの変態的側面はこの辺の影響が強い気がするんだよなぁ...。やっぱりこの辺は、 源泉としてFREESTYLE FELLOWSHIPの影響があるのかな。


FUMA75 その辺の殆どのアーティストがGOODLIFE CAFEのオープン・マイクを通ってきてるんですよね。"BENEATH THE SURFACE"に参加してる人達も勿論、J5も。で、そのGOODLIFEがPROJECT BLOWEDへと発展して、現在に繋がっている、と。GOODLIFEやPROJECT BLOWEDも中心にいたのはACEYALONE達だから、FREESTYLE FELLOWSHIPが全ての始まりと言ってしまっても良いかも知れない。西海岸のMC達が行ってきた(いる)実験というのは、海を隔てた日本からは想像 出来ないほど大きいかも。

あと、ラップにしろ音にしろ、西海岸はもっと自由な感じがするんですよ。東海岸は余計な物を削ぎ落としていくと言うか、よりストイックだし、越えてはいけ ない一線があるように感じる。自分にしか出来ないヴォーカル・スタイルをトコトンまで探求していく様は、東海岸のMCにはあまり感じないですね。 BUSDRIVERやAWOL ONEなんかはニューヨークじゃ絶対に生まれないタイプでしょう。逆に、AESOP ROCKのような緊張感を持ったMCは正にニューヨークと言った感じを受ける。あとはDJの復権があると思いますが、西海岸の、ターンテーブリズムがラッ プと同列で扱われている融合の仕方なんかも、意図的と言うより極自然にそうなったように見える。これはどっちが良いとかでなくて、土地土地の音楽の歴史と 価値観の違いかな。

中西部の連中は東と西の特性が上手く混在していると思います。それでいて、マネではなく自分達の表現をしている。MC達のスタイルは東海岸の影響が大きいように感じる反面、ターンテーブリスト達を自然な形で作品に溶け込ませたり。


微熱王子 「自由」っていうのは、いい表現ですね。確かに「オリジナリティの追求」や「前衛への傾倒」というようなインテリ感より、 ただ「自由」にやった結果出来上がった猥雑で奔放な曲がメチャメチャ面白くてクソドープだったぜ!みたいなスレスレのイメージの方が強いし。ライブ会場で 手売りで売っていたような音質が悪くて、不気味なフロウのラップが延々とのっている無名に近いアーティストの音源をわざわざ海外通販で買うような人は、自 分も含めて、その「自由さ」に惹かれていたんだろうな、と今更気付かされます。

あと、そんな自由な空気の中に、スタイルを洗練しようとする試みも勿論あって、P.U.T.S.やDILATED PEOPLES、BLACK EYED PEAS、そしてUGLYやJ5などのアーティスト達に、いわゆるニュースクール/オールドスクール回顧イズムとスタイルの追求というのが特徴として挙げ られますよね。この特徴は、別にこれらアーティストにかかわらず、それこそレジェンズやSOLESIDES、BLOWED周辺は勿論、西海岸全体的な特徴 としての「懐古趣味」と見なすことも出来ると思います。この話はライターの鈴木哲章氏のコラムに詳しいのだけど、こういう懐古趣味的な特徴自体が、西海岸の地盤となったNWAなどのギャングスタラップに対する物の延長として派生したものだという考えもあって、非常に興味深いですね。

ところで、ちょっと話を変えてしまうんですけど、「97年のアンダーグランドシーンが一番熱かった」というような意見をアンダーグランド・アーティストの 言葉で耳にするんですが、実際のところどうだったんでしょう?やはり現場レベルの話だと、一番多くアーティストが出て、活発だった時期はこの辺りになるん でしょうか?作品レベルで見ると、どうしてもこの意見が良くわからないのですけど。


FUMA75 97年と言われてパッと思いつくのはBIGGIEが殺された事ぐらいなんですが、調べてみるとATMOSPHEREやLATYRXがアルバム・デビューを 飾った年でもあるんですね。あとはCOMPANY FLOWで爆発したRAWKUS怒涛の12インチ攻勢とか、バトルDJ御用達のRASCOのシングル"UNASSISTED"とか。SCRIBBLE JAMが本格的な一大イベントになったのも97年ですね。JUICEとEMINEMのバトルが話題になったという、あの年。そう考えると、インディ・レー ベルが乱立した90年代初頭から中頃にかけての東海岸の動きと、自主制作精神が根付き始めた90年代中期の西海岸の動きが中西部にも波及して、全国的な一 つのムーブメントへと発展する土台が築かれた年が97年なのかな。あと、"RETURN OF THE DJ"シリーズの第2弾が出たのもこの年か。あれはターンテーブリスト達が注目される切っ掛けになったコンピレーションでもあるし、多大な影響力があった と思う。

前に出た話と少し重複するんですが、今一線で活躍する重鎮達の多くの活動が外から見ても活発になってきたのがこの頃かな。 SCRIBBLE JAMによって、行き場のなかった連中が活動の場を与えられたというのも大きいかもしれない。


微熱王子 作品レベルで見たときには、98・99年が大きな転換期であることは見て取れるんですけど、「97年が一番素晴らしかった」という意見は、やっぱり現場独 特の感覚なのかな、とは思うんです。だから余計に気になるんですよ。97年のSCRIBBLE JAMにしても、ビデオなんかで一部分だけ観ることは出来るんですけど、98年以降どんどんイベントが大きくなっていく様子を観ると、97年の映像なんか ホント出来上がったばかりっていう感じで、未だシーンとしては小さかったんだなぁという感想が一番率直なところで。この短い映像を観て、「なんて素晴らし いシーンだったんだ!」ていう感想は正直出てこない。実際は一番シーンの動きが純粋で楽しかった時期なのかもしれませんけどね。

作品では未だ見えないところ、色々な才能がこの時期に地下でひしめいていた様は容易に想像つくし、これから彼等がどうやってあがっていくのか?みたいなところにもやっぱり注目が集まっていたんでしょうね。観客が一番スリリングだった時期でもあったんでしょう。

タイミング的な話をすると、翌年の98年にANTICONがEPを出して、こと地域間のクロスオーバが顕著になりはじめてきたところを見ると、 FUMA75さんが言うように、東海岸の動きと西海岸、中西部の動きがクロスオーバしはじめていた時期だったんだろうと思います。東にしても、西にして も、今まで思いもよらない手法や思考がお互いを刺激していた時期。インターネットというコミュニケーション・ツールがシーンに大きな影響を与える時期。


FUMA75 90年代中頃からメジャーシーンとアンダーグラウンドの乖離が始まって、それが一つの形になったのが98年から99年だとすると、97年はその前夜だった 訳で、現場レベルでは噴火寸前のマグマのような感じだったのかも知れませんね。98〜99年は、先にも話に出た西海岸のルネッサンスが起きた。 RASCO、STYLES OF BEYOND、PEANUT BUTTER WOLF、VISIONARIES、LOOTPACKなんかが一斉にアルバムを出したりしてて、出戻り組のHIEROや、LIVING LEGENDSが本格的にリリースを始めた。SOLESIDESがQUANNUMとしてリスタートしたのも99年という事を考えると、西海岸のインディペ ンデントの動きがある種の頂点に達したと言っていいかも知れない。

で、ANTICON。彼らの登場が全てを総括した。それまでアメリカやカナダの一部でくすぶっていたモノが一気に噴出す原動力になったと思う。ヒップホッ プ的に隔離されたアーティストに世間の目を向けさせた彼らがやった事には反発する人間も多かったけど、それほど極端な事をしないと無理だったんじゃないか な。ある種のテロ行為。


微熱王子 他にも作品を見ると、エイシーの"A BOOK OF HUMAN LANGUAGE"、OMIDの"BENEATH THE SURFACE"、MF DOOMの"OPERATION DOOMSDAY"、COMPANY FLOWの"LITTLE JOHNNY〜"、そしてAESOP ROCKの"APPLESEED"やBUCKの"VERTAX"、DOSE ONEの"HEMISPHERES"も。ILLOGIC、RUBBERROOM、ARSONISTS、BLACKALICIOUS...もう挙げればキリ がないほど98〜99年はディスクガイドに載るような重要作品が充実している。勿論、当時は全てが全てちゃんとリアルタイムで評価を受けていた訳では無 かったんだろうけど。

この時期に出ていたTAGS OF THE TIMESは、多くの日本のリスナーにキッカケを与えた作品で、作品の意図していた所も正にそこなんだろうけど、現在見るとうまいことその時の勢いという か、空気をまとめている気がする。未知の部分を明確にポンポン出していくというより、あぶりだしながら好奇心をそそらせていく感じ。

ANTICONの"HIPHOP MUSIC FOR THE ADVANCED LISTENER"は、その98〜99年の沸騰感を象徴している作品というより、シーンの転換期をさりげなく提示している作品だと思う。それは当時のシー ンの流れを象徴するという意味より、シーンのもう一つの可能性を提示したという意味で。地域間の特色をコネクトできる可能性や無名な所からでも手持ちの ツールを駆使することで注目を得ることの出来る可能性。ロックリスナーへのアプローチや、エレクトロニカへのクロスオーバのキッカケという意味ではもう少 し先の話だろうけど、可能性は本当にどこまでもあったんだな、と。


FUMA75 MARY JOYが果たした役割というのは本当に大きいですね。TAGSシリーズを通して初めて知ったアーティストも居るし、何よりああいったアーティストの音源を一貫したコンセプトを持ってリリースした功績は評価し切れないぐらい。

ANTICONに関しては...ヒップホップって、常に「お前は何者なんだ?何を考えているんだ?何処から来たんだ?」って問われてる音楽だと思うんです けど、ANTICONは一つの道筋を付けましたよね。マッチョ一辺倒だったシーンに、それ以外の方法を提示したDE LA SOULのように。ANTICONの場合は、中西部の白人社会におけるヒップホップ表現。個人的にはCOMPANY FLOWやRHYMESAYERS、LIVING LEGENDS、1200 HOBOSの方がヒップホップに対しての功績は大きいと思ってるけど、オールドスクールからの流れを隠さない彼らと比べて、ANTICONはその辺を上手 くカモフラージュしてきた。その後はヒップホップへのこだわりを捨てていったように見える。自分は昔気質のリスナーなんで、少し寂しい感じもしますけど ね。彼らが従来のヒップホップ表現との狭間でもがいている所に最も魅力を感じていたんで。

そういった意味では、カナダ勢が面白いですよね。SIXTOOとBUCK 65は勿論ですけど、PEANUTS & CORNやGOODNIGHT MUSIC、MOVES、JOSH MARTINEZとか、キャリアが長いだけあって、基礎がしっかりしているし、極端にエキセントリックな事をしなくても、新しくて魅力的なヒップホップが 出来る事を証明している。


微熱王子 魅力的...(笑)。個人的には、カナディアンヒップホップとハワイアンヒップホップの「つくり」は、なんであんなに引き篭もりチックなのか未だによくわ からないのですけど...。異質だよなぁ...。カナダの場合は、やはり寒いから篭ってしまうのか?PIPI SKIDなんかはどこかの掲示板で引き篭もり・変態チックなカナディアンヒップホップの体質を嘆いていたらしいですが(笑)。本格的なカナディアンヒップ ホップの台頭は時期的にはもう少しずれますよね。00〜02年くらいかな。この頃のカナディアンヒップホップは本当に手がつけられない。出る曲、聴く曲、 みんなドロドロの音に気味の悪いフロウみたいな。

そう考えると、ANTICON周りのカナダ勢は比較的まともな印象を受けますね。BUCK65やSIXTOOにしても、KUNGA 219なんかのGOODNIGHT周辺にしても。奇抜なことをやっているという印象はあまりなくて、逆にカナダ特有の閉塞感が上手く作品に落とし込めてい て、普通にカッコイイし、オリジナル。2000年以降のアンダーグランドの閉塞的な色をつけたのが、この辺の人達だとすら思う。まぁ「閉塞感」っていうの は、褒め言葉なんですけどね。むしろ、この「閉塞感」がなければ、シーンは盛り上がらなかったかもしれない。

アメリカではANTICONが異質なのに、カナダではANTICON周りのがマトモだという...。でも考えてみれば、MOKA ONLYとか、SWOLLEN MEMBERSなんかのキャリアの長いところはちゃんと正統派だから、やっぱりあの時期に出ていた新しめのところが狂っていたんでしょうか。


FUMA75 やっぱり、2000年以降に出て来た人達はANTICONの影響を受けてたんじゃないですかねぇ。MCENROEとかキャリアの長い連中からは、あまり捻 くれた感じは受けないですから。GOODNIGHT周辺にしても、KUNGA 219のソロは別にしても、GORDSKIの音は凄い開放的ですよね。FREK SHOを筆頭に、若い世代は凄い捻くれた感じがする。引き篭もり感がアリアリなのは、やっぱり寒いのもあるんじゃないですか。あと、圧倒的な国土の広さ と、人口密度の低さも関係してたりするかも知れない。微熱氏の言う「閉鎖感」こそ、この時代にヒップホップに加わった新しい価値観なんじゃないかと思いま す。

ただ、狂っているといっても、カナダ勢の狂気は多分に意識的なものを感じますよね。例えば、NECROやCAGEなんかは、音やフロウは至極真っ当なヒッ プホップなのに歌詞がこの上なく狂ってるというか、一体どんな層をターゲットにしている音楽なのかサッパリ分からない本物の狂気を感じるんですよ。しか も、ああいう連中がニューヨークから出てきたっていうのが、更に面白い。


微熱王子 NECROについては、個人的にちょっと色々思うところもあるんですけど、NYのストレートなヒップホップに見せかけて、ネット部屋発なところが一番特徴 的だと思っていて。まぁこの対談のメインテーマから考えると、極めてどーでもいいことなんですけど。この辺に関する意見はFUMA75さんから聞きたいで すね。ストリート発でベッドルームに行き着くパターンは良くありそうだけど、逆はあんまりないんじゃないかな。

彼のHPや エロアニメやゴキブリをモチーフにしたジャケはあまりに有名だけど、リリックにしても彼のスプラッタ変態趣味や感覚自体がなんだかオタク臭いというか、サ ブカル臭いというか。ヒップホップクラシックをネタにするところも含めて、悪い意味で白人くさいというか...。話に聞くクールキースの変態性とかと比べ るとやっぱり別枠な気もするのですよね。ベクトルは近いものを感じますけど。

確かにヒップホップの枠で考えると極めて特異な趣味だとは思うんですけど。類が見当たらないし、ターゲット層不明だし。だけど、なんか別ジャンルにわんさ かいそうなタイプ。だから、ここはFUMA75さんとは意見が違って、NECROの「狂気」ってところは作為であって、真性ではないんじゃないかと。こん な仮説話で意見が対立してもしょうがないんですけど(笑)。


FUMA75 あ、なるほど。言われてみれば確かにそうですね...。ロリエロアニメなんかはオタク臭さ全開だし、スプラッタ趣味も地下ロックの世界じゃあまり珍しくな いですよね。ただ、ニューヨーク、しかもブルックリンから出てきたっていうのがNECROの存在を特殊にしている所があると思うんですよね。 カ ナダ勢とかANTICONのように、ヒップホップ・マップの外にいる人達が歪んでいくのは凄く理解できるんですけど、よりによってヒップホップ発祥の地と いうド真ん中で、ああいう音楽をやっている。彼のあの世界観が何処から来たのかを聞きたいですね、ジックリと。日本の雑誌媒体では完全に無視されてます し。

あと、西海岸ってカナダ勢やNECRO、CAGEのような陰鬱な変態ヒップホップをやってるアーティストが意外といないですよね。 SHAPE SHIFTERSの面々なんかはどこか垢抜けていると言うか、妙に明るいと言うか。ターンテーブリストには変態が多いですけど。南部のギャングスタ系の自 主モノとかって、結構変態が多いイメージがあるんですよ、あまり掘ってないので詳しくは分からないんですが。ジャケとかもかなりイッちゃってるのが多い し、フロウとか音も変なのが溢れてるような。


微熱王子 確かにFUMA75さんのような視点から見ても、独特ですね。一体彼は何を思いついてああいうスタイルで行こうと思ったのか...。浅学なのでよく知らな いんですけど、PSYCHO + LOGICALの他メンバーもエログロ・スタイルなんですか?NONPHIXIONが「CIAがオレを殺そうとしている!」とか妄言吐いて注目受けていた のは覚えているんですが。

PSYCHO + LOGICAL周辺は確かに過小評価というか、ほぼ黙殺されてますね。まぁ、この辺は単純にそのエログロ・スタイルが肌に合わないって人も居るだろうし、 あと私もそうなんですけど、リリックをちゃんと聴かないで音をメインで聴く人には解りづらい...というか楽しみづらい。プロダクション面もシッカリして いると思いますけど、パッと聴きのイルさやわかりやすさでは、西海岸やカナダには劣るでしょう。

メインの話に戻すと、NECROやCAGEのリリックの嫌がらせ感でリスナーをひっぱる手法が東海岸の土壌独特の物かどうかってところですよね。今までの 話を勝手に正当化させてしまうと、西海岸の土壌から生まれるべくしてああいう独自のスタイルが生まれてきている。じゃあ、東海岸の土壌がストレートな故に 生まれた歪んだスタイルだとも考えることは可能かと。音やスタイルで差別化を図るのではなくて、あくまでストレートな物が受けるところで差別化を図るので あれば、リリックに行き着くのは妥当かな?とは単純に思うんですけど、実際どうなんでしょう?


FUMA75 エログロなのはNECROぐらいなんですけどね、実際は。NON PHIXIONの面々は妄想入ってますけど、一応政治的な面もある。音やスタイルでなくリリックで差別化を図るというのは、東海岸のヒップホップに共通し た美学だと以前から思っていたので、NECROに関しても当てはまるかもしれませんね。

まあ、変態議論はこの辺にして本題に戻りましょうか。2000年以降の流れぐらいからかな?2000年から2001年にかけては、SOLE "BOTTLE OF HUMANS"、THEM "THEM"、BUCK 65 "MAN OVERBOARD"、SIXTOO "SONGS I HATE"、AESOP ROCK "FLOAT"、"LABOR DAYS"、CANNIBAL OX "THE COLD VEIN"、EL-P "FANTASTIC DAMAGE"なんかが出て。この辺りはDEF JUXとANTICONの時代だったかな、と思っているんですけど。勿論他のクルーも良い作品を出してはいたけど、ANTICONとDEF JUXからはクラシックが連発されてましたよね。この時期は、今まで話してきた事が完全に実を結んだというか。音楽的にもビジネスとしても、自主制作シー ンが確立された。ある種の到達点ですよね。


微熱王子 ANTICONやDEF JUXのクラシック連発劇はアンダーグランドへの関心を一挙に集めた原動力になりましたね。

そして別の部分で言えば、私なんかも好きだったんですけど、日本ではHYDE OUTやCOUNTER FLOWなんかのジャジーで耳あたりの良い判りやすいレーベルが株を上げていました。私の印象ではそこから繋がっていくのが、RICE & BEANSやCHOCOLATE INDUSTRIES、BIG DADA...だったんですよねえ。緩やかに緩やかに、インテリっぽさというか、スノッブ性がアンダーグラウンドの方へ流れ込んでいるような感じ。 ANTI POPがHIPHOPへアヴァンギャルドな構成とインテリ感を積極的に取り込もうとして、PREFUSE 73の"VOCAL STUDIES & UPROCK NARVATIVES"がヒップホップをエレクトロニカに近づけた。ヒップホップの骨太で荒っぽいビートを、繊細で小難しくて偏差値の高そうなビートに変 えることに成功した。

ANTICONの実験性や姿勢についても言えることだけど、特にアンダーグランドの理知的な面を持ち上げて、権威が高まっていて。でも、そこが重要で、例 えばヒップホップで必ずといっていいほど嫌われるマッチョイズム、あからさまな不良性を回避した、日本の学生がなんとなく親近感を持てるナードイズムが シーンの中に於いて重要なファクターになった。

また本筋から外れてしまうことかもしれませんが、丁度FUMA75さんがネットにPUT EM ON THE MAPを公開したのもこの辺だったと記憶しているんですけど、やっぱり私はこの時期のヒップホップの基盤になっていたのはインターネットとCD-Rだと 思っていて、例えばその情報の広がりや早さがシーンに多大な影響を与えていた時期だと思うんですけど、その中で単純に聞きたいのが、FUMA75さんが HPを公開する動機ってなんだったんでしょうか?


FUMA75 その辺のインテリ感、反マッチョイズムみたいなものは、丁度90年前後のNATIVE TONGUE一派が登場した頃と印象が被るんですよね。当時と今とではヒップホップを取り巻く環境が激変しているので単純な比較は無意味なんですけど、根 底にあるヒップホップのカウンター・カルチャーとしての本能のようなモノは同じだと思うんですよ。マッチョに支配されたメインストリームに対するカウン ターとしてこうした動きが顕著になるのはヒップホップの常なのかもしれません。

私がサイトを立ち上げたのは2001年ですね。こういう音楽を伝えるサイトが日本になかったからという、至って単純な動機からです。私がネットを始めたの が99年頃なんですが、それから2000年までの一年間ぐらいに、今まで話題に上がったようなアーティストが次々と登場してきたんですよ。でも、日本では 雑誌への露出も殆どなく、まとめて伝えるようなサイトもなかった。これだけ素晴らしいアーティスト達がいるのに埋もれていくのは勿体無いと思ったので、自 分で始めようと思ったんです。自分が海外のサイトで彼らを発掘したのと同じように、私のサイトで新たな発見をしてもらえたらな、と。最初は、海外の情報サ イトや掲示板で拾ってきたニュースや、レビューだけだったんですけどね。お店にまで発展するとは思ってもいませんでしたし、ネットとヒップホップの関係性 なんて考えた事もありませんでした。


微熱王子 FUMA75さんがSHOPを開いた頃を思い返すと、ネットから発せられる情報と日本で手に入れられる品物の需要と供給のバランスが著しく悪かったです。 今でも覚えているのが、FUMA75さんの「海外通販出来ない人で、僕がサイトでショップを開いたら買う人いますか?」っていうBBSの問いかけ。なんて ボランティア精神溢れている人なんだ、と。感動しましたね。私は、せいぜいWE NODとHHIを利用してたくらい。たまにどうしようもなく欲しくて、どこにも売ってない品物とかは怪しげな海外通販サイトで買ってましたけど。HHIで もあったけど、PUT EM ON THE MAPで試聴できて、レビューが見れるってのは凄く参考になりました。FUMA75さんが7点以上つけているものは試聴して、9点以上つけているものは買 い、みたいな。

海外インディーは、スピード面でも、量の面でも雑誌媒体は弱かったので、どうしても相対的に見て、ネットの方が強くなるはずなんですよ。その中で、寧ろあ の時期には、もっと色んなサイトや有益な情報が日本で広がっても良かったんじゃないか、とは今になって思いますね。HHI JAPANみたいな。

個人的には、アンダーグランドヒップホップにおける日本の「限界」みたいなものはその辺に感じますね。別に悪い意味で言うわけじゃないけど、リスナーが冷めてるというか。その点、PUT EM ON THE MAPは物凄く重要だと思います。


FUMA75 そうですね。日本でも、2000年の時点でSIXTOOやBUCK 65、MOKA ONLYのインタビューなど、カナダ・シーンをピックアップした"CLUE"のような素晴らしい雑誌もあったんですけどね。ただ、雑誌という媒体だとやは り敷居が高いというか、お金もかかるし手間暇もかかりますから、こうした音楽をサポートするにはネットが最適ですよね。

インディペンデントと一言で言っても、それこそANTICONやSTONES THROW、DEF JUXなどは日本での知名度も高いし、露出もある。CD-Rで作品を出しているアーティストなんかとは同列で語れなくなっている。でも、そこをあえて全部 同じように取り上げていきたいんですよ、メジャーレーベルの作品も含めて。ただ、自分のお店で売る作品となると、他では手に入り難い作品に限定されちゃい ますけど。


微熱王子 メジャーや準メジャー、インディペンデント、CD-Rしか出していないようなドマイナーなヒップホップを同列に扱っていく、という所は非常に難しいことだ と思います。なんだかんだ言っても、みんな偏見は持ってますから。勿論、私も。FUMA75さんにも絶対あると思いますし。で、そこを敢えて提示していく 為には、自分の偏見を先ず崩していかなくてはいけないですからね。

失礼ながら、私はいまもFUMA75さんのSHOPについては、ボランティア的な採算度外視な印象は持っていて、その中であくまでSHOPとは絡めないリ ベラルなレビューを書いたり、日本にはまだ広まっていない細かくて専門誌も取り上げないようなマイナーなニュースやトピックを探し出して、それを取り上げ たり...、良い作品広めていく為に、全部自分ひとりの力で成し遂げていくスタンスはとても尊敬しています。

で、CD-Rの話が出てきた?ので、そこから強引に話をつなげると、パソコンさえあればテープを作るより楽なCD-Rという媒体が巷に爆発的に出回ったの もこの辺の時期ですね。他のジャンルは良く知らないうえでいってしまうんだけど、アンダーグランドHIPHOPが一番早くCD-Rを商品として扱ったん じゃなかろうか。

一番売れたCD-R商品は、SAGE FRANCISの"STILL SICK"あたりになるんでしょうか?CD-R商品はPUT EM ON THE MAPでもSHOP開設当初からたくさん扱ってきたと思うんですけど、アーティストやリスナーから見たときの「手軽さ」という意味では、シーンの活性化に 一役買いましたよね?まぁこのCD-Rという物自体が雑誌媒体で扱いづらかったという側面もあったんでしょうけど、逆にCD-Rは、ネットというか、パソ コンとすこぶる相性が良い感じがします。ネット通販なんかで買う時に、「CD-Rを買う」という行為に違和感はあまり感じさせない。店でCDを買う感覚と はやっぱり多少印象が違うと思います。そう考えると、ネットと「CD-R」という新媒体をアーティストとリスナーが上手く「手軽」に機能できていた時期な んじゃないかな。で、そんな時期を過ごすことが出来たアンダーグランドHIPHOPは、そういう音楽とは別の機能的なところでもやはり先端を行っていたん じゃないかとは思っています。


FUMA75 CD-R最大のメリットは、録音してすぐ出せるという点でしょう。極端な話、ベッドルームで録音してから日本のリスナーの手に届くまでに一ヶ月かからない なんて事も可能ですからね。アーティストとリスナーのコミュニケーションという側面がヒップホップは他のジャンルと比べて大きいですから、タイムラグを極 力減らせるCD-Rの有効性は明らかですよね。勿論、望んでCD-Rで出してる訳じゃなく、経済的理由でそうせざるを得ないのは分かっているんですが。

それに、CD-Rはアーティストとリスナーの距離をあまり感じさせない媒体ですよね。どこか、音楽をやってる友達に「アルバム作ったから聴いてよ」って感 じで手渡されてるような感覚。SAGEの"STILL SICK"にしても、今出回っているのはプロフェッショナル・プレスですけど、初期のCD-RヴァージョンにはSAGE本人のイラストとサインが入ってた し、ジャケもカラーコピーで手で切ってるから大きさもマチマチだったりして。音質の悪さとかも良い意味でダイナミックさを生んでいて、いかにもヒップホッ プらしい。

容易に自分の音楽を流通させられるという事は、反面、自慰以外の何物でもない安易な音楽が氾濫するというデメリットもあるんですけど、とんでもなく実験的 で刺激的な音楽が世に出る切っ掛けになるという事でもある。そういう意味では、今後はリスナーの責任が大きくなっていくでしょうね。途中にフィルターがな いわけですから。


微熱王子 その現象はもう既に起こっているんじゃないかな、と思いますけどね。CD-Rでのインスタントな作品が出回り始めて、品質云々以前に需要と供給のバランス が崩れてきたかな?と個人的に思ってきたのが2003年。ずっと前からアンダーグランドを見てた人はもっと前にそう思っていたのかもしれないですけど。 で、やはりその矢先にHHIが閉鎖したんで、これはもう決定的かな、と。ひとつのデカイ指標がなくなったというだけではなくて、需要と供給のバランスが崩 れてしまったことを指し示していた。

そんな中、リスナー個人個人が良い作品を聴き分けていく、というのはすごく難しい気がします。膨大な作品の中から、自分が良いと思った作品をピックアップ していく、という作業は時間とお金の面でも相当のアングラ・フリークじゃないと出来ない所業だと思うし...。そこの部分で、良質な作品が一部の人の目に しか触れず埋もれていってしまうってことは流れから言ってもある意味必然なのかもしれません。

同時に2003年辺りになると、私はアンチナードな空気も感じていて(笑)。その引き金の一つはJAY-ZやNAS、KANYEやJUST BLAZE、LIL JONやNEPTUNESやTIMBALANDなんかのメインストリーム側の活躍だったりするんでしょうけど、やっぱり「FUCK NERD」なんて言葉が出ること自体、相当シーンにオタク野郎比重が高まっていたと思うんですよ。「アンダーグランドヒップホップ」ではなくて「ナード ラップ」という視点で見たとき、その流れをFUMA75さんはどう見てました?


FUMA75 元々、アメリカ社会のメンタリティが反ナードですからね。オタクが迫害を受けるのはどの世界でも一緒というか(笑)。ヒップホップ・シーンでオタクの比重 が高まった要因は、やっぱりANTICONに行き着くと思うんですが。彼らが、ヒップホップは好きだけど、従来のシーンには居場所のなかった白人のオタク 達に安住の地を与えた、とでも言うか。叩かれるという事は、そうした表現方法が市民権を得た証拠でもありますしね。

ただ、「ナード・ラップ」の定義というのが今一つ釈然としないんですよね...。個人的には、「リスナーとのコミュニケーションを放棄した表現」と感じているんですが、どうでしょう?


微熱王子 う〜ん。個人的には、ラップが白人臭いぬっぺらした声とフロウで、音がエレクトロニカやDJ PREMIERの音を薄めた作りなようなもの、欲を言えばカナダっぽい音、だったら無責任に「ナードラップだ!」と思っていますが(笑)。あからさまにキ モイフロウや音で勝負しているようなものとか...。

「リスナーとのコミュニケーションを放棄した表現」って考え方は面白いですね。銃や金や女について語るようなもんじゃないことは確かですし。例とかって具体的なイメージあります?こいつはナードラップだ!みたいな。


FUMA75 私も同じような認識でしたよ。なんとなく「ナードラップだな、これは」みたいな。やっぱりEPICとかFACTOR周辺ですかね、いかにもな感じと言う と。あと、DISFLEX6周辺とかもそうかも。オタクっぽいアーティストは昔からいたんですけどね。PRINCE PAULやDE LA SOULとか。ただ、ナードと言うと白人のイメージがありますけど、ギャングスタラップとかと同じで明確な定義なんてないんでしょうね。

微熱王子 「ナードラップ」って言葉自体、この1,2年で出来たようなもんですしね。敢えて定義するとして、一番わかりやすいのは、FUMA75さんが言うように ANTICON以降の影響を受けたアーティストでしょうね。ギャングスタ・ラップがNWA以降の感じで。そう考えると、やっぱりかなり偉大だ な...ANTICON。ヒップホップの層の幅を広げた訳だし。

FACTOR周辺やDISFLEX6周辺は支持層からしてナードが多そうですね。自分を含めて。支持層がナードだったら「ナードラップ」ってのもアリかも しらん。極めてどーでもいいですけど。2003年でいえば、THE WEATHERやBLEUBIRDとかにも象徴的。同時にこの年に9TH WONDERをキッカケとしてリミックス・アルバム・ブームも勃発する訳ですが、この辺もオタク・プロデューサーがたくさん頑張って作っていたよう な...。


FUMA75 ギャングスタ・ラップがNWA以前にも存在していたように(SCHOOLY D、ICE T、KOOL G RAPなどなど)、ナードラップもANTICON以前に存在していたんでしょうけど、NWA同様、ANTICONがナードラップを一般的にしたと言って良 いでしょうね。プロデューサーやDJにはオタクが多いという印象があります。やはり、家に篭りがちな職業だけにオタク気質じゃないと務まらないのかも知れ ませんが。ここ2、3年の自主制作シーン最大の収穫はナードラップにあり、というところでしょうか(笑)。

今後、ナードラップは商業的にも大きくなる可能性はあると思っているんですが、どうでしょう?と言うのも、初期のEMINEM作品はナードラップ色が非常 に強かったと思うんですよね。彼があそこまで成功したのもありますし(ビジュアルや後ろ盾も大きな要因ですけど)、これまでアンダーグラウンドで起きた ムーブメントは全てと言って良いほどメインストリームに浮上しているんですよね。だから、この先MTVでいわゆるナードラップがヘビーローテーションされ る日も遠くないんじゃないかと。


微熱王子 EMINEMは初期の支持層からしてヲタが多そうだしなぁ。EMINEMだけでなく、ATMOSPHEREとかもロック・リスナーにウケているのを見る と、確かにナードラップが一般認知される日も近いのかもしれません。果たしてEMINEMやATMOSPHEREがナードラップなのか?という論議はある でしょうけど、ナードラップという定義とは別としても、田中宗一郎氏の"SEVEN'S TRAVELS"(@THE ESSENTIAL DISC GUIDE 2004)の評に詳しいように、「内省的、私小説的なヒップホップ」が、今までの「ユースカルチャーとして磨耗されつつあるヒップホップ」の中から半ば必 然的にうまれて、一般的な地位を確立しつつあるという意見には、とても共感できる。

そういう意味では、今後いわゆる「内省的なラップ」(≒ナードラップ)はどんどん増えて、その中でも良質な作品は世の中に広まっていくでしょうね。あと、 「内省的なラップ」という話になると、例えば2004年のKANYEのアルバムとかにも象徴的ですけど、メインストリーム・ヒップホップについても、 2003-2004年を境に大きな変革を遂げている気がしています。それは現在のアメリカ内にある社会不安とかの要素とかも絡んでくる話になるのでしょう けど。


FUMA75 2004年は、メインストリームで言えば、KANYE WESTとG-UNITが席巻した年でしたね。あとは、LIL JONとかでしょうか。

インディペンデント・シーンとなると、振り返った時にこれといった大きな動きがなかったかな、というのが第一印象ですね。数年前のように、DEF JUXやATICONはもとより、MUSHだったりPEANUTS & CORNだったり、GALAPAGOS4だったり、レーベル単位でシーンを担う存在が出てきたりしていた時期と比べると、今年は地味だった気がします。 PSYCHO + LOGICALが良作を立て続けに出してましたが、シーンに影響を及ぼすほどではないし...。インパクトのある大型新人の存在もなかった。とはいえ、作 品毎では豊作でした。西海岸勢は頑張ってましたね。MADLIBは相変わらず好調だったし、THE SHAPE SHIFTERSは各メンバーのソロ作も含め精力的だった。今年は、今までこの対談で名前の挙がった、実績のあるアーティストがその実績に見合った良作を 多く出した年という事でしょうか。


微熱王子 MADLIBやDOOMさんはここ最近すごい働いてますね。精力的にコラボしたり。2003年で言えば、IMMORTAL TECHNIQUEやBLEUBIRDが注目を浴びたりはしてたけど、2004年はニューフェイスですごい注目を受けた人は確かに思い当たりませんね。一 応LIGHTHEADEDからのソロデビューで、BRAILLEあたりになるのかなぁ。...地味すぎる。ニューフェイスじゃないけど、QWEL & MAKERやNOBSなんかも頑張っていた印象があるな。

PUT EM ON THE MAPで今年一番売れたところはどの辺なんでしょうか?やっぱりILLOGICとかMADVILLAINとかでしょうか。あと、FUMA75さん的にはどの辺が良かったですか?個人的に2004年に良い印象はないんですが...。


FUMA75 BRAILLEは実はLIGHTHEADEDの前にソロ・アルバムを出しているんですよね。CD-Rで。よく売れたのは、PLAGUE LANGUAGE "FAREWELL ARCHETYPES"やCESCHI "FAKE FLOWERS"、NOAH 23の2枚といった所でしょうか。ILLOGICは結構売れましたけど、MADVILLAINは今一つでしたね。何処でも買える商品は、基本的にある程度 しか売れないんですよ。

今年は印象的な作品は確かに少なかったですね。良作はいつものように多かったんですけど、インパクトに欠けていたと言うか。パッと思いつくのは MADVILLAINぐらいですかねぇ。THE SHAPE SHIFTERSの"WAS HERE"なんてかなりの良作だと思うんですけど、彼らは色々出しすぎたせいでインパクトが薄まった感があるな、と。あとは、ILLOGIC "CELESTIAL CLOCKWORK"、C-RAYZ WALZ "BLACK SAMURAI EP"などは良く聴きましたね。年末だからという訳じゃないんでしょうけど、TOCAとCESCHIは個人的に今年のベストに入る出来かと思ってます。


微熱王子 BRAILLE、過去に出していたんですか?知らなかったです。LIGHTHEADEDやLITTLE BROTHERに限らず、SWEATSHOP UNIONやATHLETIC MIC LEAGUEみたいな集団ラップクルーからもソロで活躍するアーティストはこの先も出てくるんでしょうか。結構、この辺のカレッジ風ラップは好きだったで すよねぇ。

THE SHAPE SHIFTERSは、過去音源に比べるとかなり丸くなったというか、聴きやすくなりましたよね。あと、TOCAとかCESCHI、PLAGUE LANGUAGE周辺が売れているってところに、なんかPUT EM ON THE MAPのリスナーのセンスを感じます(笑)。私も、今年のアンダーグランドヒップホップで魅力を感じるのは、この辺になりますね。

で、C-RAYZ WALZは全くノーマークでした......というかDEF JUXのパート3を聴いて、現在のDEF JUXの方向性を確認してから、あまりDEF JUXはチェックしていなかったんですけど、C-RAYZ WALZ、そんなに良いのですか?他のDEF JUX作品とか、またANTICON作品とか聴いてどう思いました?


FUMA75 SWEATSHOP UNIONやATHLETIC MIC LEAGUEのような、集団でこそ映えるグループからソロ作を出しても難しいような気もしますけどねぇ。あの辺は、大学の寮かなんかで皆で集まってワイワイやってる感が良いですよね。

C-RAYZは、完全に個人的な好みですね。声も好きだし、フロウも癖になるというか。ハードなブレイク・ビーツにストイックなライミングっていう、昔な がらのヒップホップがやっぱり好きですから。最近のDEF JUXはそういう方向に向ってますよね。エレクトロニカ勢と絡んだり、ジャズやったりしても、あくまでそれは課外授業であって、そういう要素をストイック なヒップホップに取り込もうと言う意思はあまり感じない。ANTICONはそれと正反対で、色んな方向に放浪しているような感じというか。ただ、ヒップ ホップからは離れていってるようでいて、根っこにはヒップホップの血が流れているし、ヒップホップを通過した音というより、どんな事をやっても、常にヒッ プホップをチラ見せずにいられない感が音に出ている。音は全く違いますけど、ANTICONのやってる事はMOS DEFと変わらないんじゃないかと思います。バックグラウンドが違うだけで。


微熱王子 FUMA75さんのMOS DEF評に 書かれていた「COMMONやOUTKASTが様々な方向から”取り込んだ”のに対し、MOS DEFは自ら”外に出て行った”」という点について考えると、ANTICONも確かにその通りで、「俺達のジャンルは"HIPHOP"じゃなく て"ANTICON"だ」というスタンスにも表れているように、HIPHOPをベースとしつつ、どこまで逸脱できるか・枠を広げられるか、というところを 活動の肝としている感は確かにある。 このところのANTICONで凄いなと感心するのは、「枠を広げる」という意味において、必ず前作より前進しているところですね。 基本に立ち返って、前作より刺激が薄まるということは、まず無い。私がANTICON作品を聴くときに先ず意識するのはソコで、今までより「新しい」かど うか。他のANTICONアーティストと比べてどうか?という点。寧ろANTICON作品を評価する上で、彼らの意識を考えても、その軸で評価することが 一番正しいんじゃないかとも思います。

で、私はDEF JUXについて思う部分は一部FUMA75さんと同じだけど、一部違う。DEF JUXは、かなり微量ずつにだけど「COMMONやOUTKAST」と同じで色んな要素を”取り込”みに入っていると思っていて、それが「歪」な形で作品 にあらわれたのが"DEFINITIVE JUX PRESENTS �"だろうと。例えそうじゃなくても、真っ当なHIPHOPを作ろうとしたときにああいう歪な作品が一時代を牽引したレーベルの作品として出てくる時点 で、何か意識的なものを感じるんですが…。


FUMA75 なるほど。ただ、"FUNCLASHER PLUS"も、彼らにとっては「普通のヒップホップ」をやろうとしただけ(勿論、彼らの言葉を鵜呑みにすればですが)とのことだし、彼らにとっての普通 が、我々にとって歪んで聴こえる面が大きいんじゃないかと思っていたんですよね。だからこそ、余計に面白いというか。あと、ANTICONにしてもDEF JUXにしても、新しい音を常に鳴らすというのには限界があると思うんですよね、やっぱり。

だからといって、エレクトロニカをやったりポストロックをやったりしても、それが進化とは思えませんし、むしろ保守的ですらあるんじゃないかと思うので、今後この2つのレーベルがどういった作品をリリースしていくのか、非常に興味深いですね。


微熱王子 忘れてたんですけど、MURS & 9TH WONDERも2004年なんですよね。で、DEF JUX作品。あれだけど真ん中、というか「主流」の作品がDEF JUXから出ているのも少し違和感があるんですけど、MURS & 9TH WONDERだけ置いてDEF JUXの主軸がズレてしまったように見えるところが個人的にすごいオモロいんですよね。(そこの転換のキーとなった作品は、PARTY FUN ACTION COMMITTEEだと思ってはいるんですが。)だから、そういう意味では2004年のDEF JUX作品は今までのDEF JUXの「ドープかつ安定かつ革新的」みたいなところを期待してしまったから、期待はずれになってしまったけど、来年以降のDEF JUXカラーがどう転がっていくか、という点は見方によってはすごい楽しめる気がします。果たして「MURS & 9TH WONDER寄り」に行くのか?「PARTY FUN ACTION COMMITTEE寄り」に行くのか?

あと2005年以降は特に、FUMA75さんが言うように、「新しい音」へのアプローチ、「限界への挑戦」が今後どれだけ試されるか?ってところに「アン ダーグラウンド」の真価が問われる気がします。やっぱり「メインストリームへのカウンター」という部分は、めっきり弱くなってしまったし。それは現在のメ インストリームがそれほど質が良いということの裏返しだと思うので、一概に「駄目だ」と言える所でもないですしね。

逆にどれだけ現在の「アンダーグラウンドへのカウンター」になりえるのかってところがこれからの「革新性」につながっていくんじゃないかなぁと思ったりし ています。FUMA75さんが言うように単純に「エレクトロニカをやったりポストロックをやったり」するのではなくて、どれだけ自虐的になれるか?開き直 れるか?という部分が重要なんじゃないかな、と。すごい厭な言い方ですが。


FUMA75 個人的には、ある種神格化されつつあったDEF JUXという存在を否定したかったんじゃないかと捉えてますけど。ファンを試すと言うと聞こえが悪いですけど、「革新」の部分だけに付いて来たリスナーを 振り落とす行為。様々なスタイルのヒップホップを網羅しつつ小馬鹿にしたPARTY FUN ACTION COMMITTEEはその象徴的な意味合いがある。簡潔に言うと、小難しい印象を変えたかったんじゃないかと思うんですよ。シンプルな「良い音楽」を出し ている事には間違いないんですけど、物足りなさを覚える人がいても不思議じゃない。そういった意味でも、今のDEF JUXの立ち居地というのは面白いと思ってますけども。ANTICONのようにぶっ飛んだ事をする余白を残しつつも、オーソドックスなヒップホップを出し ている。幅広い音楽性を手に入れた印象がありますね。柔軟になったと言うか。EL-Pの不振と引き換えに、と言ったら言い過ぎかもしれませんが。

最後に、2005年にどんな期待をしてますか?個人的には、2003年末も同じような事を言ってたような気もしますけど、ずば抜けた新人の登場に期待してます。


微熱王子 2005年はアンダーグラウンドとは少し離れてしまうかもしれないけど、GRIMEがアメリカのシーンにどういう影響を与えるのかがとても興味がありま す。なんだか、LETHAL BIZZLE(from MORE FIRE CREW)の曲が南部ですごいウケてるという噂もありますし。南部のスノビッシュな人たちにどう解釈されるのかな?と。もっと個人的な話でいけば、 GRIMEにも注入されてるメタルのサンプリングに興味がありますね。以前にもメタルサンプリングはけっこうやられてるみたいですけど、聴いてるともっと 面白い音が作れそうな気がするんですよねー。全くやられないかもしんないけど(笑)。

アーティスト単位でいくと、TONE DEFFとか、IMMORTAL TECHNIQUEあたりが楽しみかなぁ。噂のJEAN GRAEも。普通の意見になってしまうけど、9TH WONDERがこれからどう展開していくのか楽しみですね。

...さてさて、そんなこんなで本当に長々と対談をしてまいりましたが、そろそろ一区切りということで、ここらで一旦締めましょうか。


FUMA75 GRIMEの事は良く分からないんですよね...なかなか聴く機会がなくて。JANE GRAEやIMMORTAL TECHNIQUEは私も期待しています。大きなムーブメントよりも、そうしたソロMCの動向が面白くなりそうですね。

大変興味深い対談が出来ました。長い間お付き合いくださってありがとうございました。


微熱王子 いえいえ、こちらこそとても楽しかったです。はじめに意図していたところより微妙に偏った内容の対談になってしまったかもしれないですけど、その分いろんな分野に関して、FUMA75さんの意見が聞けて興味深かったです。

また、別のテーマで対談できれば嬉しいです。ありがとうございました。



(1.2005)





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